大晦日ですね

大晦日ですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は張り切って大掃除をしすぎ、左ひざを軽くひねりました。なにごともやりすぎはよくありません。しかし、今まで捨てようかどうしようか迷っていたかなりのものを捨て、いろいろなものをピカピカに磨き、すっきりと新年を迎えられそうです。

2017年は、個人的にとても充実した1年になりました。
5月の「バー弓子 vol.8」、6月のヨーロッパ企画さんの短編映画、10月のルドルフ本公演、11月には「劇作バトル!」のリーディングに、THE GO AND MO’S「黒川の笑 その8」と、そのどれもが楽しく得るものもある時間となり、良すぎるくらい運が良かったです。関係者の皆さま、どうもありがとうございました。

とりわけルドルフ本公演「まつろはぬものの記」においては、原作にも会場にもキャストスタッフさんにもお客様にもご協力くださる方にも恵まれ、ルドルフのこれまでの公演でもっとも実りあるものになったと思っております。改めまして、ご助力いただいた皆さまに感謝します。ありがとうございました。

今月頭には、「まつろはぬものの記」のアフタートークゲストとして来てくださった同志社大学の廣田収教授、司会をしてくださった三重大学特任講師の村口進介先生とあらためて「宇治拾遺物語」についてお話させていただきました。

左から廣田教授、村口先生

「宇治拾遺物語」を「研究」という視点からお読みになる廣田先生からご覧になって、演劇という視点からの私の読み方はまるで違っていて興味深いとのことで、同志社大学にまでわざわざお招きいただいたのです。
研究を目的にするときと、立体的な物語にすることを目的にするときとでは確かに目のつけどころがまったく違うのかもしれませんが、自分ではとにかく作品を仕上げることに夢中だったのでそんな違いがあるとは考えもせず、興味を持っていただいたこと自体に驚きました。
お話をすすめていくうちに、演劇は何かにつけて制約が多く(空間・時間の制約や、人材の確保、稽古時間など現実的すぎる制約)、そのために決まった表現方法も多かったので面白いお話になったかどうかは非常に謎なのですが……とにかくたくさんのお話をさせていただいて刺激的でした。

私は研究者のかたはとにかく「事実」に基づいて理論を構築していくもので、作家は勝手に妄想を広げてよいもの、という風に思っていたのですが、先生方にお話を伺うとどうもそうくっきりと分けられるものではないようで、そこはとても印象的なお話として心に残っています。
研究者も事実を積み上げるだけではなく、作品をつくるときのように「こうだったらいいのにな」という妄想めいたものを盛り込んでよいのでは、というのが先生方のご意見でした(微妙に違ってるかも)。あまりに妄想が膨らみすぎたらいわゆる「トンデモ」になってしまうかもしれませんが、事実と事実のあいだにある空白が埋まり切ることは絶対にありませんし(時代が古くなると特に)、たしかにそこは妄想なりを働かせての創作が必要だなあと、改めて考えると納得のご意見です。
作品をつくるときもあまりに事実を無視すると「興ざめ」を招いてしまいますし、そうすると研究者と作家の違いというのはなかなか微妙なのかもしれないですね。

などととりとめのないことをまだ考えつづけています。
廣田教授、村口先生、貴重な機会をいただき本当にどうもありがとうございました。

今年も残り数時間になりました。
来年についても、楽しみなことが少しずつ決まり始めていてとてもありがたいことです。また具体的なことが決まり次第、こちらのサイトで発表してまいります。

最後に、今月おこなわれた「カフェリンピック『宮崎宏康 in THE GO AND MO’S』」で撮影したチャンピオン・宮崎宏康さんとの記念写真を掲載します。映像でしかお会いしたことのなかったチャンピオンに生で会えて光栄でした。サンキューフォーチャンピオン。

みなさまどうぞ良いお年を。来年もどうぞよろしくお願いします!