ルドルフ vol.5『まつろはぬものの記 −探訪 宇治拾遺物語−』
photo – 徳永ひろみ
説話集『宇治拾遺物語』より「滝口道則、術を習ふ事」「石橋の下の蛇の事」をとりあげ舞台化。平安時代後期、宇治に籠り『宇治拾遺物語』の原作をまとめたとされる「宇治大納言」源隆国を語り手に据え、彼が人々から物語を聞き集めていく様子を通して説話の世界を描いた。
会場は京都市左京区の寺院「永運院」の和室と庭園。時間によって変化する会場の雰囲気に合わせ、昼・夜別プログラムで上演。昼公演終了後にはおまけの落語上演も行った。
- 一般観客が選ぶ「関西Best Act」2017年下半期第2位
- 関連書籍『演劇から見る宇治拾遺物語』(廣田收・村口進介・筒井加寿子 共著)
- 特設サイト:https://rudolf.kyoto.jp/stage/vol5/

- 日程
- 2017年10月12日(木)〜14日(土)
- 会場
- 永運院(京都市左京区黒谷)
- 原作
- 宇治拾遺物語より「滝口道則、術を習ふ事」「石橋の下の蛇の事」
- 脚本・演出
- 筒井加寿子
- 出演
- 宇治大納言 源隆国:二口大学
闇の章(原作「滝口道則、術を習ふ事」)
但馬/滝口道則:田中遊[正直者の会]
因幡/信濃の郡司:黒川猛[THE GO AND MO’S]
出雲/道則の郎等:丸山交通公園[丸山交通公園ワンマンショー]
鴟梟/道則の郎等:山下ダニエル弘之
陽成天皇:由上智也[立命館高校演劇部]
光の章(原作「石橋の下の蛇の事」)
垂氷/叔母:柿谷久美子
楓/蛇を追う女:岩崎果林
蛇に追われる女:羅生門さゆり[カウパー団]
蛇:げいまきまき[カウパー団] - おまけ
- 落語上演「黒川猛の座敷咄」(原作:宇治拾遺物語より「鼻長き僧の事」)
脚本・出演:黒川猛 - スタッフ
- 舞台監督:北方こだち 照明:葛西健一、吉津果美 音響:宮田充規 衣裳:鍵山千尋、岡本昌也[安住の地] 道具製作:多賀慧[ゲキゲキ/劇団「劇団」] 宣伝美術:筒井加寿子 制作:ルドルフ、柿谷久美子、岩崎果林、鼬
- 協力
- 村口進介[三重大学人文学部 特任講師] 安住の地 カウパー団 THE GO AND MO’S 正直者の会 丸山交通公園ワンマンショー 立命館高校演劇部
- 助成・支援
- 京都府文化力チャレンジ補助事業 京都芸術センター制作支援事業
- 企画・主催
- ルドルフ
Comment
企画立案のきっかけは、近所の古本屋でなにげなく買った本に載っていた原作「滝口道則、術を習ふ事」を読んだこと。「平安時代が舞台の説話」というお堅いワードからは想像もつかないほどくだらない内容に心を撃ち抜かれ、舞台化を決意しました。
その「滝口〜」をもとにした夜公演「闇の章」では、原作のラストに登場する「乱行の帝」陽成天皇をフィーチャー。幼くして帝の地位につけられさまざまな誤解も受けた陽成天皇の魂を少しでも良い方向に、との願いを込めて作りましたが、会場となったお寺のすぐ近くにたまたま陽成天皇の墓所があったのにはびっくりしました。今でも折に触れてお参りしています。