まつろはぬものの記:登場人物紹介⑤
楓/蛇を追う女(岩崎果林)

次回公演ルドルフ次回公演「まつろはぬものの記 −探訪 宇治拾遺物語−」、登場人物紹介の第5回目は、「光の章」に登場する「楓」「蛇を追う女」です。演じてくださるのは岩崎果林さん。

楓は、庶民でありながら一時期宮仕えをしていた女性(宮仕えは基本的に貴族か豪族の娘がするものだったそうです)。彼女がかつての上司・垂氷に会うため故郷の大和国から久しぶりに上京してくる、というところから「光の章」ははじまります。劇中劇のような形で展開される「石橋の下の蛇の事」では、自分にしか見えない蛇をひたすら追いかけていく女として登場します。

岩崎さんは、垂氷を演じる柿谷さんと同じく「劇研アクターズラボ」からのお付き合いになります。最近はバンドでボーカルをしたりカフェ営業をしたりとお芝居以外のところで何かとご活躍です。今回の作品では彼女がもうひとつ得意としている「絵」のところを脚本のアイデアに少し使わせて頂きました。
こうして書くと相当アクティブな人に思えるかもしれませんが、ぱっと見た印象ではふわっとしていてどちらかといえばおとなしい感じを受けると思います。でも、ちょっとほじくり返すと狂気が出てくるので、そこを個人的にはいちばん興味深く思っています。「楓」にも「蛇を追う女」にも、そういう私の興味が自然と反映されてしまったかもしれません。可愛いだけじゃない彼女の魅力が伝わればとても嬉しく思います。

次回は「闇の章」に戻りまして、「傀儡子の男・出雲」と「道則の郎等」を演じてくださる丸山交通公園さんをご紹介します。